日本皮膚科学会雑誌
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各種皮膚疾患特に色素異常症と血液SH量との關係について
德永 榮一
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1957 年 67 巻 10 号 p. 643-

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抄録

Hopkinsが1921年Glutathione(以下GSHと略記)を創めて分離し生体細胞内酸化還元機能に重要な役割を演ずるとしてより,SH化合物の生体活性に於ける重要性は各方面の注目を浴びた.皮膚科方面ではPercival及びStewartの報告に始まり各種皮膚疾患に於けるSH体の変動は或は組織化学的,或は血液化学的に検索され,本邦に於ても瀧川,松本,高岡,永石等が血中GSH値の報告を行つている.特に比較的最近Rothman等はSH化合物が生理的に人皮膚メラニン形成阻止作用のあることを提唱し,表皮中のSHの消長により白斑形成,色素沈着の機序を説明せんとしている,著者は皮膚色素異常症に伴う生化学的変動研究の一部として色素異常症を主とせる各種皮膚疾患に於てAmperometric titration(以下アンペロ滴定法と呼称す)により血液内SH量を測定し些か興味ある知見を得たので茲に報告する.

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© 1957 日本皮膚科学会
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