1959 年 69 巻 5 号 p. 449-
さきに三浦および楠,井上(清)はCandida albicansの病巣または病的材料から分離した菌株と,健康者糞便から分離した菌株との間の色素吸収能に差異のあることを報じ,この方法がC.albicans病原性判定法として用えうるならんと記した.然るに林は井上が用いた菌株を,生育条件を変えて継代培養した10代目について同一実験を行ったところ,C.albicansの色素吸収能に変動を来して,この特性を認めることか出来ないと報じた.そこで私は林が用いた菌株の動物通過を試み,三浦および楠や井上の観察した現象を再現しうるや否やを検した.