日本皮膚科学会雑誌
Online ISSN : 1346-8146
Print ISSN : 0021-499X
ISSN-L : 0021-499X
皮膚疾患とビタミンC代謝
石戸谷 忻一
著者情報
ジャーナル 認証あり

1961 年 71 巻 4 号 p. 401-

詳細
抄録
ビタミンC(以下Cと略記する)が抗壊血作用を有することは周知の所であり,臨床適応用が試みられてから既に久しいが,McCormikにより経静脈的大量投与法(1日300~1,000mg)が提唱されて以来,近年Cの臨床的効果に関して種々の角度から再検討が加えられており,皮膚科領域に於いては色素沈着症並びに所謂アレルギー性疾患に対する応用が注目されている.又最近に於けるビタミン研究の進歩に伴い,Cの生理作用として蛋白代謝,膠原の生成,解毒作用,各種酵素特にエステラーゼに対する賦活作用,或いはホルモンとの関係が次第に闡明されつつあり,特に他ビタミンとの関係では,例えば先に当教室菅原がC欠乏とリボフラビン欠乏とはある程度平行することを報告している如く,polyavitaminosisの一環としての意義が重視される.しかも,C欠乏の代表と考えられている壊血病がもはや,歴史的疾患となつた現在,所謂C不足症が臨床上の問題として残されている.しかし乍ら,C不足症の症状は必ずしも一定のものでなく,その臨床的把握は甚だ困難であり,診断に当つては毛細血管抵抗値の測定,Rotter反応,血液並びに尿Cの化学的定量法並びに負荷試験等が必要とされている.この間,皮膚疾患のC代謝に関しては本邦に於いても重松,荒木,小原,及び小川等の詳細な報告に接するが,小川(DNP法)を除いていずれも主としてindophenol法による尿中Cの定量であり,C以外のindophenol還元性物質の介入を免れ難い.依つて著者は今回C測定に最も特異的といわれるRoe-照内によるDNP法を用いて色素異常症及びアレルギー性皮膚疾患を中心とする各種皮膚疾患について血液並びに尿総C濃度の測定を行なうと共に,Cの負荷或いは皮膚科領域にて常用されている二,三藥物投与による影響,各種臨床検査成績,特に同時に測定せる血清非特異性コリンエステラーゼ活性値(以下コ・エ値と略記する)との関係につき検討を行ない,些か考察する所があつたのでここに報告する.
著者関連情報
© 1961 日本皮膚科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top