日本皮膚科学会雑誌
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皮膚科領域におけるTATDの臨床効果と実験的検討
荒川 忠良武田 克之新野 昌子
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1962 年 72 巻 6 号 p. 471-

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抄録

皮膚疾患と内部諸臓器との関連は古くから注目され,Kreibich,Wiener,Sckreinerその他の論説がある.皮膚の生理機能を中心として他臓器との関連を検討した敎室の一連の業績は,内部臓器の変調が皮膚機能の失調を,さらにこれに引続いて器質的変化を生起する素因となり得ることを実証した.また,荒川らは反応性皮膚疾患と呼ばれる1群の疾患の原因に内的異常を重視して,とくに肝障害,腎障害,胃腸障害,糖代謝異常の際の皮膚症状と皮膚機能との関係を対比し,皮膚疾患の素因形成に内部臓器の機能異常の果す役割の大きいことを論じている.とくに肝障害時における皮膚機能の異常が高度であることは飛田,武田の臨床的ならびに実験的研究があり,また皮膚疾患々者あるいは実験的肝障害家兎に種々の強肝剤を投与して肝機能,血清蛋白分画,皮膚機能の変動を追究し,その結果は数次にわたつて報告してきた.

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© 1962 日本皮膚科学会
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