日本皮膚科学会雑誌
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Oxyphenbutazoneの皮膚科的応用
水野 信行広川 浩一北郷 修田嶋 公子
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1963 年 73 巻 10 号 p. 643-

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抄録

Tanderil即ち1-phenyl-2-(P-hydroxyphenyl)-3,5-dioxo-4-n-butyl-pyrazolidine monohydrateはpyra-zolidine誘導体で下記の化学構造を有し,J.R. Geigy A.G.研究所で合成されたものであり,これはphenylbutazoneのmetabolite I(Burns and Bro-die)に一致する.このものは消炎,解熱作用を有するが中樞性鎮痛作用はない.しかしphenylbutazoneにはない種々の薬理学的な特色を有することがわかり,臨床的にも各科の注目をあびるにいたつた.即ち1)強力な消炎作用があり,それに伴つて腫脹の抑制及び鎮痛効果が得られる.2)解熱作用.3)ステロイドホルモンにみられるような不快な副作用が少なく,生体内のホルモンバランスを乱したり,創傷の治癒を遅らせたり,また抗体産生を抑制しない.4)副作用が比較的少なく,耐容量が大きいため長期投与が可能である.などの諸点である.

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© 1963 日本皮膚科学会
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