汗腺体(secretory coil)にはclearとdark cellがあり,前者は汗形成にあずかつていることは形態的にも明らかである.Naはclear cellから分泌され,水は透過性のよい同細胞の分泌膜を通つて腺腔内に間質液や血漿に対して常にisotonicな分泌液を形成する.腺腔中の分泌液がisotonicであることは,演者の温熱性発汗実験で分泌液の平均Na量が137.8mEq/lであつたこと,及び他家による結氷降下度測定法(cryoscopic studies)や腺腔内直接穿刺法の成績からも明らかである.なおclear cell中の糖原の減少は発汗試験の最初の1日にだけ認められ汗形成の信頼できるindexにはならない.