日本皮膚科学会雑誌
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表皮コレステロールエステル化酵素について
麻生 和雄R.K. Freinkel
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1970 年 80 巻 2 号 p. 113-

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抄録

Kooymanは表皮は角化するにしたがい,エステル化されるコレステロール量が増加することを指摘しており,この所見からRothmanはコレステロールのエステル化が皮膚では角化に関連を有すると考へ,Gara,Lorinczは異常角化を示す乾癬患者で皮膚表層でのエステル化が低下していると報告している.しかしながら実際に表皮でのエステル化機構を生化学的にあきらかにした報告はなく,Glomsetはネズミ各臓器のコレステロールエステル化に関する報告では皮膚にはほとんど活性がみとめられないとさえのべている.著者らはこれらの問題をふまえて,表皮におけるコレステロールのエステル化が酵素的におこなわれることをあきらかにしたが,表皮から本酵素の精製をおこないエステル化のメカニズムの一端を解明することができたので報告する.

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© 1970 日本皮膚科学会
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