抄録
真菌類の微細構造についての電子顕微鏡的研究は最近ようやく盛んになつてきたが,材料の固定・包埋・染色等の方法の面においては未解決の問題がいろいろある.著者は,われわれの教室で数年来行なわれてきた病原性真菌の微細構造に関する一連の研究の1つとして,病原性黒色真菌の1つであるHormodendrum dermatitidisをとりあげ,とくにそのいわゆるsclerotic cellsの微細構造を電子顕微鏡的に研究した.以下にその成績を述べる.因みに,病原性黒色真菌の微細構造についての電子顕微鏡的研究は,著者の調べた限りでは,Phialophora verrucosaのそれに関する簡単な報告しかないようである.