1975 年 85 巻 13 号 p. 811-
ヒト正常脂肪細胞の形態および表面構造を走査型電顕および凍結走査型電顕により検討し,以下の所見を得た. 1)形態は球形の他種々のものが認められた. 2)表面構造は,表面が豊富な皺奘面を示すもの,皺襞に乏しく表面平滑なものおよびこれらの両面を有し,前2者の移行性を示すと考えられるものの3型に区別された. 3)凍結走査電顕でも前項の皺襞型および平滑型細胞に相当すると思われる細胞がそれぞれ観察された, 4)皺襞型細胞では collagen fibril と推測される fibril 様構造がその表面を密に覆っていた. 5)脂肪細胞表面には脂肪滴ないし microchylon と考えられる直径100~900nmの球状小体が認められた.