1976 年 86 巻 6 号 p. 375-
熱傷瘢痕ケロイド(肥厚性瘢痕を含む)組織におけるコラーゲンとプロテオダリカンの相関について検討した. デルマタソ硫酸の絶対量は,組織ハイドロキシプロリン含量に先行して増加し,デルマタン硫酸のグリコサミノグリカン組成における百分比は,組織ハイドロキシプロリン含量に対して高い正の相関を示した. コンドロイチン4硫酸の百分比は組織ハイドロキシプロリン含量に対し逆相関を示し,コンドロイチン6硫酸は絶対量,百分比とも相関が低かった. 以上のことからプロテオグリカンは,コラーゲン合成の環境を形成しているのではないかと考えられ,熱傷瘢痕ケロイドの病態発現に重要な役割を果していることがうかがわれた.