1977 年 87 巻 8 号 p. 501-
アトピー性皮膚炎患者40名について,末梢血 T-cell の中で IgG ・Fc receptor 陽性の T-cell (FcR+T-cell)の変動と臨床像との相関について検討した.小児期のものの 86%は FcR+T-cell の百分率は正常域であったが,思春期・成人期のものでは 84% で有意に増加がみられた,さらにその罹病期間の長いものほど FcR+T-cell の上昇が著明にみられた.これらの成績は FcR+T-cell の増加と,アトピー性皮膚炎の病像との間に相関がみられることを示し, FcR+T-cell の測定が意義深いものであることを示している.