日本皮膚科学会雑誌
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87 巻, 8 号
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  • 金出 明子
    1977 年 87 巻 8 号 p. 469-
    発行日: 1977年
    公開日: 2014/08/22
    ジャーナル 認証あり
    リンパ球幼若化現象の微量測定法についてはいくつかの報告かあるが,その多くは特殊な装置を必要とする.この研究ではリンパ球幼若化現象微量測定法の簡易法を確立することを第1の目的とした.さらに,この微量測定法により免疫学的に興味深い2・3の皮膚疾患の細胞性免疫の状態を検討することを第2の目的とした. まず,リンパ球数 3H チミジン量,培養期間,リンパ球の洗浄回数について検討したところ,培養容器として Falcon 3040 マイクロプレートをもちいた微量法では,それぞれについて 2×105個, 0.5μCi, 72時間,4回が最適であった.一方,血漿中に存在するリンパ球幼若化現象抑制因子を検出するためには mitogen の至適濃度があり,それは個々の症例により異なることかわかった.したがって,患者血漿中のリンパ球幼若化現象抑制因子の検討には単一濃度の mitogen による測定では不充分であり,個々の症例においてmitogen の濃度を変えて観察することが望ましいと考えた.一般にリンパ球幼若化現象抑制因子は低濃度の mitogen により容易に検出され,高濃度の mitogen ではその検出が困難であった. 他方,リンパ球の最大反応値を与える mitogen の濃度も個々の症例により異なるので,患者リンパ球の mitogen 刺激による反応能の検索には種々の濃度の mitogen にたいするリンパ球の反応をしらべ,最大反応値を知ることが重要であるとわかった. 以上の測定法を確立したのち,おもに悪性黒色腫,悪性リンパ腫,尋常天疱瘡および関連疾患について phytoheraagglutinin および concanavalin A によるリンパ球幼若化を検討し,リンパ球の反応能および患者血漿中のリンパ球反応抑制因子についでしらべた,悪性黒色腫にては¬般に患者リンパ球の反応能は正常であり,患者血漿中に抑制因子も認められなかった,しかし,広範囲転移例ではリンパ球の反応の低下および患者血漿中に抑制因子が認められた.悪性リンパ腫にては患者リンパ球の反応能は低下していた.患者血漿中の抑制因子は mitogen としてphytohemagglutinin をもちいた場合に検出された.尋常天疱瘡および関連疾患患者血漿中には抑制因子が検出された.患者リンパ球の反応能は concanavalin A による刺激では低下した. Phytohemagglutinin による刺激では患者血漿をもちいた場合にのみ低下を示した. ツベルクリソによる皮膚反応および DNCB による皮膚反応とリンパ球幼若化現象との関連性を検討したところ,これらの皮膚反応が陰性のものには幼若化能の低下を示すもの,および血漿中に抑制因子が検出されるものが多くみられた.
  • 安江 厚子, 三田 一幸, 安江 隆
    1977 年 87 巻 8 号 p. 487-
    発行日: 1977年
    公開日: 2014/08/22
    ジャーナル 認証あり
    各種皮膚疾患を対象に Park らの spontaneous NBT テストを施行し,次の結果を得た. 1)皮膚の細菌感染症およびヘルペス群ウイルス感染症では,広範囲ないし全身性の疾患で NBT 値の上昇が認められたが,限局性で小範囲のものでは NBT 値の上昇はみられなかった. 2)ウイルス感染症のうち,パラミキソウイルス感染症である風疹では, NBT 値の上昇はみられなかった. 3)掌蹠膿疱症では,まれに高値を示す症例かあったが,病巣感染の存在の有無との関係は,はっきりしなかった. 4)ベーチェット病では,CRP 強陽性症例をも含め, NBT 値の上昇は認められなかった. 5),多形惨出性紅斑では,全例で高値か示された. 6) NBT 値と白血球増多,棒状核球増多との間には関連は認められなかったが,CRP 値の低い症例では, NBT 値の上昇が認められた.
  • 漆畑 修
    1977 年 87 巻 8 号 p. 493-
    発行日: 1977年
    公開日: 2014/08/22
    ジャーナル 認証あり
    Herpes virus 感染が生体の免疫系に与える影響の一部を明らかにする目的で,経日的に経過の追えた帯状疱疹患者26名と,単純性疱疹患者15名の末梢血リンパ球subpopulation の変動を検討した.いずれの疾患においても,急性期に T リンパ球絶対数の減少がみられた.このことは,帯状疱疹の重症例および単純性疱疹の再発例, Kaposi 水痘様発疹症において,より著明に認められた.B リンパ球は帯状疱疹発症2週間後にその絶対数の増加のピークがみられたほかは,大きな変動はみられなかった.これらの変化は,ウイルス感染時に生体の細胞性免疫が一過性に抑制されることと関係があると考えられた.
  • 漆畑 修, 安田 利顕, 新保 敏和, 矢田 純一
    1977 年 87 巻 8 号 p. 501-
    発行日: 1977年
    公開日: 2014/08/22
    ジャーナル 認証あり
    アトピー性皮膚炎患者40名について,末梢血 T-cell の中で IgG ・Fc receptor 陽性の T-cell (FcR+T-cell)の変動と臨床像との相関について検討した.小児期のものの 86%は FcR+T-cell の百分率は正常域であったが,思春期・成人期のものでは 84% で有意に増加がみられた,さらにその罹病期間の長いものほど FcR+T-cell の上昇が著明にみられた.これらの成績は FcR+T-cell の増加と,アトピー性皮膚炎の病像との間に相関がみられることを示し, FcR+T-cell の測定が意義深いものであることを示している.
  • 1977 年 87 巻 8 号 p. 505-
    発行日: 1977年
    公開日: 2014/08/22
    ジャーナル 認証あり
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