1978 年 88 巻 13 号 p. 943-
Dvorak らにより Jones-Mote 反応は Cutaneous basophilhypersensitivity(CBH) であることが示され1)て以来,遅延型反応における好塩基球浸潤は注目され,検討されてきたが2),今なおその役割に関しては不明である, Dvorak らは組織内の好塩基球を電顕的ならびに光顕的に観察した3)4)5) また Askenase6)-8) らは,光顕的に観察出来る方法を開発した.以来 CBH の研究は急速に進展しつつある. 当初 Dvorak らは,好塩基球浸潤の有無により,遅延型反応はツベルクリン型の古典的な遅延型反応と CBH に分けられるという仮説を提唱したが1)9) ヒトの PPD 強陽性反応にもおよび著明な好塩基球浸潤を欠くツベルクリン反応のdonner から transfer された recipient のツベルクリン反応にも好塩基球浸潤が著明にみられたとの報告もあり8), Dvorak らの仮説に反する実験的事実が示されつつある9). 今回,我々は従来好塩基球がみられるにしても僅少とされていた FCA 感作モルモットの PPD 皮内反応,および OT 貼布反応に著明な好塩基球浸潤を認めたので報告する.