日本皮膚科学会雑誌
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Aminoglycoside系抗生物質による接触皮膚炎の研究 -特に交叉感作について-
日野 治子
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1978 年 88 巻 14 号 p. 993-

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抄録

Neomycin 23例, Gentatnicin 4例 Kanamycin 1例 Kanendomycin 1例,計29例の Arninoglycoside 系抗生物質による接触皮膚炎と, Streptomycin による湿疹型薬疹2例を経験した.これらの患者で,パッチテストおよび皮内テストを行ない, Aminoglycoside 系抗生物質間の交叉感作について検討した結果,各々Deoxystreptaraine を持つ Neoraycin, Gentamicin, Kanatnycin,Kanendomycin, Paromomycin(Aminosidme), Dibekacin,Lividomycin, Vistamycin (Ribostamycin), Tobramycin, および Deoxystreptamine の2つの-NH2 のうち1つの-NH2 が -NH・CO. OH・CH2・CH2・CH2・NH2 で置き換っている Amikacin の間では交叉反応が認められた.しかし,これらの Aminoglycoside 系抗生物質と, Deoxystreptaraine の2つの -NH2 が-NH ・ CNH・NH2で置き換っている Streptidine を持つStreptomycin, Dihydrostreptomycin との間には交叉反応は認められず, StreptomycinはDihydrostreptomvcin とのみ交叉反応が認められた.また,ヒトで得られたこれらの成績を検討するため,Neomycin および Streptomycin でモルモットの感作実験を行ない Freund's complete adjuvant を用いて強力な感作処置を施したが,感作は不成立に終った.さらにmaximization test を行なったが,同様に感作は成立しなかった.

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© 1978 日本皮膚科学会
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