日本皮膚科学会雑誌
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メルケル細胞の電顕的研究 特に幼若期ラットのメルケル細胞について(Ⅱ)
落合 豊子馬場 俊一鈴木 啓之
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1979 年 89 巻 11 号 p. 777-

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抄録

生後2, 4, 7, 14日の幼若期 SD ラット及び日齢9週の成熟 SD ラットの指腹皮膚を用い,メルケル細胞を電顕的ならびに形態計測的に観察した.生後7日目のラット指腹表皮に,きれこみの少ない核と明るい細胞質,多数の細線維をもち,少数のメルケル細胞穎粒が局在性なく散在し,軸索の付着していないメルケル細胞を認めた.この細胞の形態はケラチノサイトとメルケル細胞との両者の性格を有し,メルケル細胞の表皮由来を想像させる.メルケル細胞の単位面積当りの顆粒数は生後4日目より増加傾向がみられる,メルケル細胞顆粒の直径も生後4日目より大型穎粒の出現をみる.これらの所見は,メルケル細胞が成熟するに従い代謝活動が活発となることを示唆するものと思われる.

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© 1979 日本皮膚科学会
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