日本皮膚科学会雑誌
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89 巻, 11 号
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  • 千葉 紀子
    1979 年 89 巻 11 号 p. 745-
    発行日: 1979年
    公開日: 2014/08/22
    ジャーナル 認証あり
    加齢に伴う細胞性免疫反応の変化を知る目的で実験を行った.先ず3週齢 ICR-JCL マウス雌810匹を揃え,成長を待って4週齢より80週齢に至る間に,合計400匹に皮膚癌細胞の同種移植を行った.使用した癌は可移植性皮膚疎細胞癌 Sq 12 で ICR とは無関係の closedcolony マウスに由来する.癌細胞20万個移植群と2,000個移植群の2群について観察したが,両群とも腫瘍移植成功率,腫瘍死したマウスの生存した日数のいずれよりみても,64週齢以後の老齢マウス群に著しい抵抗の低下を証明した.肝,腎への血行性転移も老齢マウスには確実に発生していた(実験1).次に経時的に購入し週齢のことなる4群をつくり,同時に Sq 12 癌細胞の移植を行ったが,実験1と同じ傾向がみられた(実験2).実験1において腫瘍を拒絶して生き残ったマウスが96週齢の老齢に達したとき,再び最初と同数の Sq l2 癌細胞移植を試みたところ,2例を除き,他の19において再び腫瘍は拒絶された.細胞性免疫反応は secondary response に関しては,老齢においてもかなりよく保たれることを示唆する成績であった(実験3).一般に老齢における細胞性免疫反応の低下は周知の如くいわれているが,多くのマウス系,多くの分析的方法が用いられるにつれ,単純に一般化することの困難なことが明らかになってきている.腫瘍の同種移植も細胞性免疫反応を調べる一つの検査法として用いられているが,その特徴とするところは,1個体の数10日より100日以上にもわたる反応の総決算としての腫瘍死あるいは生存を観察しうること,腫瘍 graft は強い増殖能力を持ち,すみやかに数を増してくることから,免疫反応はすみやかに起ってこれを絶滅せしめない限り拒絶することが難しくなることなどにあり,他の多くの細胞性免疫反応の検査法とはやや趣を異にすることが考えられたので,文献を検討し考察を行った.
  • 岸下 雅通, 牛嶋 彊, 尾崎 良克
    1979 年 89 巻 11 号 p. 761-
    発行日: 1979年
    公開日: 2014/08/22
    ジャーナル 認証あり
    ヒト血清中の Propionibacterium acnes 及び P-granulosum に対する抗体価の分布を,ヒト皮膚由来株を抗原として使用し,U 型マイクロタイターによる菌体凝集反応で測定した. ヒト血清にはの血清型 I 及び肘こ対する抗体が認められた.年齢別(10以下,10代,20……70代)にみると,その平均抗体は,血清型 I に対し, 80, 320,80, 80, 80. 80, 40, 80で,血清型 II に対しては,10代以後全て,1管低い値であった.すなわち,両血清型に対する抗体価は,10代で最も高かった.本菌の生物型別では,生物型 IB5 及び IB 2 に対する抗体価は,他に比較し1~2管低い傾向にあった.一方 P.granulosum に対する抗体は,ほとんど認められなかったが,4被検血清では,線毛を有する菌株に対する抗体価が 1 : 160~1 : 5120で, P.acnes のそれをしのいだ,この抗体は,線毛に由来するものと考えられた,
  • 亀山 明
    1979 年 89 巻 11 号 p. 767-
    発行日: 1979年
    公開日: 2014/08/22
    ジャーナル 認証あり
    全身性エリテマトーデス (SLE) 患者の皮疹部,無疹部,一部は腎臓について immunofluorescent band (IFband) と電顕的に管状封入体 (microtubular structure,MTS )を並行して検索した. IF band test は皮疹部では37例中31例(84%),無疹部では22例中15例(68%),腎では6例中5例(83%)に陽性であった. MTS は皮疹部では20例中18例(90%),無疹部は12例中10例(83%),腎は6例中5例(83%)に観察された.また IF bandtest 陰性の4例において MTS が陽性であった.これらの症例はすべて発症早期か寛解期のものであり, MTS は早期診断に意義があると考える.また現在までの報告では,無疹部における MTS は SLE 以外では DLE の1例のみで, MTS の出現する他の疾患では皮疹部のみにしか出現しない.このことからも無疹部における MTS の検索が SLE の診断により意義があると考える.出来るかぎり,皮疹部,無疹部につきIF band test と MTS を並行しておこなえば,より診断の確率は高まるものと思われる.先天性無胸腺マウスである nude mouse に2症例の患者から採皮した MTS を持つ皮片を移植し,21日日,また27日日に採皮して MTS を検索した.しかしながら,いずれの移植皮片からも MTS を発見することは出来なかった.
  • 落合 豊子, 馬場 俊一, 鈴木 啓之
    1979 年 89 巻 11 号 p. 777-
    発行日: 1979年
    公開日: 2014/08/22
    ジャーナル 認証あり
    生後2, 4, 7, 14日の幼若期 SD ラット及び日齢9週の成熟 SD ラットの指腹皮膚を用い,メルケル細胞を電顕的ならびに形態計測的に観察した.生後7日目のラット指腹表皮に,きれこみの少ない核と明るい細胞質,多数の細線維をもち,少数のメルケル細胞穎粒が局在性なく散在し,軸索の付着していないメルケル細胞を認めた.この細胞の形態はケラチノサイトとメルケル細胞との両者の性格を有し,メルケル細胞の表皮由来を想像させる.メルケル細胞の単位面積当りの顆粒数は生後4日目より増加傾向がみられる,メルケル細胞顆粒の直径も生後4日目より大型穎粒の出現をみる.これらの所見は,メルケル細胞が成熟するに従い代謝活動が活発となることを示唆するものと思われる.
  • 佐藤 政博, 前田 哲夫, 本好 捷宏
    1979 年 89 巻 11 号 p. 783-
    発行日: 1979年
    公開日: 2014/08/22
    ジャーナル 認証あり
  • 1979 年 89 巻 11 号 p. 787-
    発行日: 1979年
    公開日: 2014/08/22
    ジャーナル 認証あり
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