マスト細胞における Clq の沈着を免疫組織学的に証明した. Clq 陽性マスト細胞は健常頭皮7例中5例,円形脱毛症頭皮17例中14例および色素性壽麻疹2例中1例に認められた.これらの蛍光パターソは顆粒状を示したものか多かった. Clq 陽性マスト細胞は一般に健常頭皮では蛍光は弱く,数も少ないが,円形脱毛症頭皮と色素性壽麻疹では蛍光は強く,数も多かった. 免疫グロブリン(IgG , IgA , IgM , IgE)や他の補体成分(C3 , C4 , C5 , C9)の沈着はマスト細胞には認められなかった.また blocking test,牛血清アルブミン加 PBS の併用, FITC 標識抗ヒト Clq 血清のヒト精製 Clqによる吸収試験, Clq の破壊試験(尿素および熱処理)およびオクテルローニー法による抗血清の検討を行ない,本所見の特異性を立証した.