日本皮膚科学会雑誌
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高速液体クロマトグラフィーによる尿中 5-S-Cysteinyldopa ・DOPAの測定- Fluorometry による測定値との比較
森嶋 隆文斉藤 真理子花輪 滋
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1981 年 91 巻 5 号 p. 587-

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抄録
尿中 5-SCD の測定は悪性黒色腫の病勢を知る上の biochemical marker になりうることが指摘されている.従来,尿中 5-SCD, DOPA, DA の測定にはFluorometry が専ら用いられてきたが,結果をうるには比較的長時間を要する.近年,カテコールアミン類の測定は HPLC をもってなされる趨勢にある.そこで,同一検体について HPLC と Fluorometry とをもって尿中 5-SCD, DOPA+DA を測定し,えられた成績についての相関性について検討を試みた.結果:(1)尿中 5-SCD, DOPA や DA の 測定は Fluorometry によっても HPLC によっても良好の成績がえられた. (2) HPLC による測定は Fluorometry に比して操作が簡便で,回収率も勝れており,また 5-SCDとDOPA とを同時に測定しうる点利点である.今後 HPLC を用いて尿中 5-SCD, DOPA を測定し,悪性黒色腫の病勢との相関を検討することにしたい.
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© 1981 日本皮膚科学会
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