日本皮膚科学会雑誌
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Pringle病に見られる特異な非上皮性細胞の本態に関する知見補遺(I)
石橋 康正井上 由紀子竹原 和彦松川 中余 幸司久木田 淳
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1981 年 91 巻 6 号 p. 613-

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抄録

42歳,男子の Pringle 病患者顔面に見られた桑実状腫瘤及び局面状皮疹にっき体外培銑を試み次の結果を得た. 1)桑実状腫瘤から遊出する非上皮性細胞は,単一な形態を取らず,大別して小樹枝状細胞(SDC),大樹枝状細胞(LDC),蜘蛛状細胞(SC),乏樹枝状細胞(ODC)及び多核巨細胞(MGC)の5型が識別された. 2)ODC 及び MGC は継代培養不能であった. 3)LDC は,殆んどそれのみから或る場合,継代培養3代以上不能であった. 4) SC は形態学的に glia cell に類似していた. 5) SDC は形態・培養態度の面で線組芽細胞に近いものと推測された. 6)局面状皮疹からは SDC, LDC 及び SC に近い細胞の遊出が見られたが,ODCは殆んど MGC はまったく見られなかった.

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© 1981 日本皮膚科学会
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