日本皮膚科学会雑誌
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尋常性白斑の免疫病理学的研究
沢田 雍子大橋 勝
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1982 年 92 巻 6 号 p. 621-

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抄録

77例の尋常性白斑を,臨床的により,局所型,今節型,四肢末端顔面型,通常型,全身型に分類した.これらの各型について,真皮表皮接合部(以下 DE と略す)の IgG . C3,および真皮乳頭層と乳頭下層の血管周囲 (以下血管と略す)の IgG . C3 の存在を,酵素抗体法で観察するとともに,血中自己抗体,特に抗マイクロゾーム抗体を測定した.この結果を,数量化籟Eワ類分析法で解析すると,分節型では, DE IgG (+).C3(+),血管IgG (+)・C3(+)および抗マイクロゾーム抗体 (+)は,いずれも明らかな負の相関がみられた,これに反して,四肢末端顔面型では, DE IgG (+)-C3 (+),血管lgG(+)・C3(+)および抗マイクロゾーム抗体(+)は,いずれも明らかな正の相関がみられた.局所型,通常型では,一定の方向がみられず,今回の結果からは結論づけることが不可能であった.全身型は例数が少なく,数量的な解析はできなかった.以上の結果から,尋常性白斑の色素消失のメカニズムは同一ではなく,分節型では,免疫系以外の因子が考えられた.これに反して,四肢末端顔面型では,これらの臨床型の中で,免疫型の関与か強く考えられた.

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© 1982 日本皮膚科学会
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