補体系の反応において, C3bの活性化に阻害的に働く補体制御蛋白βlH globulin について,水疱性疾患を対象として検討した.天疱瘡11例,水庖性類天疱瘡14例,疱疹状皮膚炎2例の病変皮膚の加瞻滿凹における補体成分を蛍光抗体法により検討し,天疱瘡8例(74%),水疱性類天疱瘡14例(100%),疱疹状皮膚炎2例(100%)に C3 の沈着を認め,このうち天疱瘡5例,水疱性類天疱瘡14例,痘疹状皮膚炎2例にβIH globulin の沈着が観察された.天疱瘡19例,水疱性類天疱瘡20例の患者血清中の抗表皮細胞間抗体,抗基底膜抗体への in-vitro における補体成分の結合性を蛍光補体法により検討し,天疱瘡9例(47%),水疱性類天疱瘡15例(75%)に C3 の結合を認め,このうち天疱瘡9例,水疱性類天疱瘡15例と,いづれも100%に β1 H globulin の結合が観察された.蛍光補体法にて C2 欠損ヒト血清を補体源とすると, Clq, C4 は陽性にとどまるのに対し, C3,β1Hglobulin は陰性化した. 以上から,天疱瘡,疱疹状皮膚炎においても水疱性類天疱瘡と同様に,β1H globulinが祐出吋こおける補体活性化に役割を果していることが示された.更に・一泊TOの実験から天疱瘡におけるβ1H globulinの反応は,水疱性類天疱瘡と同様に少なくともclassical pathway の活性化に基く,補体活性化経路に関与しているこどか,示唆された,
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