1983 年 93 巻 14 号 p. 1513-
特異な皮疹と無痛性の全身リンパ節腫張および多クローン性高ガンマグロブリン (以下 y-gl ) 血症を伴う22歳男性例と62歳女性例を記載した.この症例は2例ともたまたま施行された一般ルーチン検査で血沈亢進と高 γ・gl 血症を指摘されたもので,種々の検索にもかかわらず高 γ・gl 血症をきたす基礎疾患は発見できなかった.組織学的には,皮疹では小血管周囲性の強い形質細胞の浸潤を,リンパ節では皮質から髄質にかけて著しい形質細胞浸潤を認めた.これら形質細胞は光顕,電顕所見で異型性はなく,成熟した形質細胞であった.以上の所見から自験例を反応性の全身性形質細胞増多症と考えた.また自験例と同様な症例の報告があり,これらの症例を plasma cell type の Castleman リンパ腫 5)や高 γ・gl 血症を伴う lymphoid interstitialpneumonia7) と近縁な疾患,森らのいうところの idiopathic plasmacytic lymphadenopathy with polyclonalhyperimmunoglobulinemia と同じ範躊に属する独立疾患と考えた.