日本皮膚科学会雑誌
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健常人ならびに遺伝性掌蹠角化腫患者足底角層より抽出されたシスチンリッチポリペプチドについて
高橋 昌江手塚 正
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1985 年 95 巻 1 号 p. 23-

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抄録
1.遺伝性掌蹠角化腫患者および健常人の足底角層を用い,10%ホルマリン水溶液による固定,無固定に分けてそれぞれ3種類のbufferで抽出を行い,残渣の凍結切片をDACMで染色し,S-S基の局在を蛍光顕微鏡で観察した.2.DACM染色による膜の発蛍光に著しい減弱のみられた無固定試料の上清についてDACM染色後,SDS-PAGEを行い蛍光を持つポリペプチドを検討した.3.SDS-PAGEの結果,患者および健常人試料両者に分子量15,000に強い蛍光を有するTris-HCI buffer可溶性ポリペプチドが検出された.そこでこのポリペプチドを膜の発蛍光物質由来と推定し,分離,精製を試みた.4.この分子量15,000のポリペプチドの構成アミノ酸は患者,健常人検体で大差はなく,1/2-cystine値が約4%と高値を示した.5.抽出前後の試料を電顕的に観察したところ,膜のmarginal bandの変化は認められなかった.これらの結果と角層のSH基,S-S結合は細胞膜周辺に存在している事実を考えると,光顕的にみられたDACM染色陽性物質はmarginal bandのみではなく,それ以外に膜周辺にS-S基にとむポリペプチドが存在していると考えられ,角質細胞膜発蛍光部位はmarginal bandだけではない可能性が示唆された.
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© 1985 日本皮膚科学会
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