抄録
赤白血病は顆粒球系細胞と赤血球系の両者の腫瘍性増殖を特徴とする疾患で,末期には急性骨髄性白血病の像を呈する.赤白血病の皮膚浸潤はまれとされているが,我々は,頭部に脱毛性紅色局面を認め,病理組織学的検討の結果,赤白血病細胞の皮膚浸潤と診断し得る症例を経験した.本症例は皮疹発生後約1ヵ月で死亡した.皮膚病理組織像としては,拡大した真皮血管中に異常白血球を類似した細胞のビマン性浸潤があり,全浸潤細胞の5~20%を占めた.かかる異常浸潤細胞はHE染色標本のみで3群に分たれ,第Ⅰ群は後骨髄球様で真皮浸潤細胞に多く,第Ⅱ群は,骨髄芽球様で真皮血管内に多く認められ,他に少数の巨大異常細胞を混じていた.以上,赤白血病の皮膚浸潤とくに脱毛例はきわめて稀で本邦皮膚科領域における論文報告例はなかった.またかかる皮膚浸潤細胞の同定は本症の診断の上に重要と考えられるので報告した.