1986 年 96 巻 10 号 p. 1025-
抗癌剤の持続動注療法により,小山,斉藤班の固型がん化学療法直接効果判定基準で著効と判定されたangiosarcomaの1例を経験した.症例は83歳,男子.左前額から前頭にかけての腫瘍で,臨床所見と病理組織学的所見より,angiosarcomaと診断した.さらに電顕,組織化学所見を加え,自験例の初診時は未分化癌の腫瘍と考えた.adriamycin,5-FUの持続動注療法で半年後著効が得られた.しかし1年後再発所見を認めた.自験例を未分化な癌と考え,さらに,抗癌剤の持続動注療法が著効を呈したことについて,文献的考察も混じえて,若干の考察をおこなった.