日本皮膚科学会雑誌
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剥離表皮のオートラジオグラフィー法―第2報:標識細胞の検討―
宮下 光男安井 由美子馬場 俊一鈴木 啓之
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1988 年 98 巻 1 号 p. 53-

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抄録
剥離表皮を用いたオートラジオグラフィーを用い,モルモットにおける標識細胞の標識率と分布を検討した.表皮のトリチウム標識チミジンによる標識率は個体差を有した.毛包間表皮の標識率は,4.5~14.3%であった.標識細胞の42.2~63.1%は単独で散在性に存在した.一方,残りの36.9~57.8%は,2,3あるいは4個集簇して存在した.単独に存在した標識細胞は分裂後,一方の娘細胞は基底層に残り,他方は分化の過程に入ったか,あるいは一方の娘細胞の細胞周期が変化し,片方の細胞だけが標識された,と考えた.そして,2~4個集まっているのは,偶然の隣接以外に,細胞分裂後も,角化過程に入らずそのまま基底層に止まり,同一細胞周期を保ちつつ次の分裂前DNA合成期に入る細胞集団の存在が考えられる.この考えを前提にすると,一方では分裂した2個の娘細胞が双方とも角化過程に入ってしまう可能性を想定することが必要となる.
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© 1988 日本皮膚科学会
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