超音波診断装置(周波数20MHz,Bモード,電子リニアースキャン方式,立石ライフサイエンス研究所開発)を用いて,男女の胸部,腹部,上下背部,前腕,上腕,大腿,下腿の伸側及び屈側の12箇所の皮膚(角層,表皮,真皮)厚を測定した.対象は20代と30代の健康人及び全身の皮膚厚に影響を及ぼさないと考えられる限局性皮膚疾患を有する患者,男子14例(平均年齢30.5歳),女子10例(平均年齢30.7歳)である.多くの部位では男は女よりも皮膚が厚い傾向があったが,胸部と腹部では,男女の皮膚厚はほぼ同じであった.皮膚厚を生体で直接測定でき,且つ患者への侵襲が少ない点より,超音波を用いた皮膚厚測定法は,有用性が高いと考えられる.