日本皮膚科学会雑誌
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色素沈着性神経線維肉腫を発生したvon Recklinghausen病―光顕的・電顕的検討―
加藤 晴久古川 雅祥茶之木 美也子濱田 稔夫山根 英雄
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1988 年 98 巻 11 号 p. 1121-

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抄録

19歳,女子.生後間もない頃より左側頭部から顔面にかけて褐色色素斑を伴う腫瘤が出現し,徐々に増大し圧痛を伴うようになってきた.臨床的にvon Recklinghausen病の神経線維腫よりの悪性化を疑い,外頚動脈結紮後,腫瘍を切除した.病理組織像では,典型的な神経線維腫を示す部分に加えて,大型のクロマチンに富んだ異形性の強い核を有する腫瘍細胞が主体をなす部分をかなり認め,S-100蛋白陽性細胞を多数認めたため神経線線維肉腫と診断した.電顕的にfibroblast,Schwann細胞由来の腫瘍細胞に加えて,組織球由来と考えられる腫瘍細胞を認めた.さらにヘモジデリンおよびメラニンによる色素沈着部位を認めた.腫瘍に色素沈着をきたしたのは,腫瘍を構成するneural crest由来のSchwann細胞あるいはdermal melanocyteによるmelanogenesis,および腫瘍内出血によるヘモジデリンのためによるものと考えられた.

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© 1988 日本皮膚科学会
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