日本皮膚科学会雑誌
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98 巻 , 11 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 川口 博史, 杉山 朝美, 小松 平, 宮川 加奈太, 宮川 淳子, 菅 千束, 池澤 善郎
    1988 年 98 巻 11 号 p. 1077-
    発行日: 1988年
    公開日: 2014/08/08
    ジャーナル 認証あり
    アトピー性皮膚炎(AD)患者の末梢血リンパ球を用いて,Dermatophagoides farinae(DF)特異的リンパ球増殖試験(LPT)を施行した.培養時の抗原濃度は30~50μg/ml,培養期間は7日間が至適条件と考えられた.また応答性細胞は,nylon-wool非付着細胞分画に存在した.患者57名のうち,明らかな陽性は24名,42%で,対照に比べてより高いリンパ球の増殖反応がみられた.しかしながら,IgERASTスコアとLPT陽性者,皮疹の重症度とLPT陽性者との間には,相関は認められなかった.また,発疹型別にみると,陽性者は屈側型に多かったが,統計学的に有意差は認められなかった.以上の成績より,多くのAD患者でDF特異的IgE抗体産生だけでなく,DFと反応するリンパ球(おそらくT細胞)も同時に誘導されていることが示された.しかしながら,両者の関連,またADの発疹型やその重症度におけるこれらリンパ球の果たす重要な役割を示すことはできなかった.
  • 浜中 すみ子, 山本 俊比古, 稲垣 冬彦, 鈴木 實, 鈴木 明身, 麻上 千鳥
    1988 年 98 巻 11 号 p. 1085-
    発行日: 1988年
    公開日: 2014/08/08
    ジャーナル 認証あり
    日本人の正常皮膚の表皮を分離し糖脂質を抽出,精製した.表皮はmonoglycosylceramidesおよびfaster running glycolipidsを有し,2糖以上の糖鎖を持つ中性糖脂質ならびにガングリオシドを含む酸性糖脂質を有していなかった.Faster running glycolipidsはアルカリで加水分解されリノール酸を遊離するエステル型糖脂質であり,2種類存在することが明らかになった.1つはGrayらが10年前に報告したProbleminに相当する成分であると考えられたがその構造は彼らの提唱したものとは異なっていた.他の1つは今回新しく見つけられた成分であった.これらエステル型糖脂質の構造は表皮特有のものであると考えられ,この糖脂質をEpidermosideと呼ぶことを提唱する.
  • 関 利仁, Thomas B Fitzpatrick, Arthur R Rhodes
    1988 年 98 巻 11 号 p. 1093-
    発行日: 1988年
    公開日: 2014/08/08
    ジャーナル 認証あり
    近年皮膚悪性黒色腫の前駆症ないしリスクマーカーとして注目されているDysplastic melanocytic nevi(以下DMNと略)は,組織学的にatypical melanocytic hyperplasiaないしlentiginous melanocytic dysplasiaと称される,種々の異型なメラノサイトの表皮内増殖を特徴とする.これらの異型メラノサイトの光顕レベルでの検索に比べ,微細構造特にメラノソームに関しては未だ十分な検討がなされているとは言えない.一方従来よりメラノソームの微細構造の観察を基礎として,皮膚悪性黒色腫を臨床上類似する良性のメラノサイト系腫瘍から鑑別しようとする試みが多数の研究者によって行われてきた.しかしメラノソームの形態(特に皮膚悪性黒色腫におけるメラノソームの形態)に関して必ずしも統一した見解はえられていない.その理由の一つとして,メラノソームの産生はメラノサイトそのものの性格を反映するのみでなく,メラノソームを受け取る周囲の細胞の影響,特にケラチノサイトの影響を受ける可能性があるからである.さらに実際にNevocellular nevi(以下NCNと略)のメラノサイトとして報告されたメラノサイトが,実はNCNのメラノサイトでなく,最近までその疾患概念が明らかでなかったDMNのメラノサイトを観察していた可能性も否定できない.今回我々は,DMNの表皮内メラノサイトの特徴を明らかにするため他のメラノサイト系2疾患,すなわちSuperficial spreading melanoma(以下SSMと略)およびNCNとDMN近傍の正常皮膚(Normal skin,以下NSと略)より表皮内メラノサイトを選択し,それらの微細構造をメラノソームの微細構造を中心にして比較検討したので,若干の考按を加え報告する.
  • 江川 清文
    1988 年 98 巻 11 号 p. 1105-
    発行日: 1988年
    公開日: 2014/08/08
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    Straussら,およびLyellらの報告した,いわゆる細胞質内封人体とは病理組織学的に異なる細胞質内封人体を有する9例のウイルス性現贅を経験した.臨床的,病理組織学的,免疫組織学的およびin situ hybridization法を用いたhuman papillomavirus(HPV)の型の面からの検討を行った結果,臨床的には黒褐色調を呈するものが多く,前胸部に生じた丘疹性皮疹の1例を除き,他はすべて手足に生じた孤立性の疣贅状皮疹であった.病理組織学的には,細胞質内封人体は原則として1細胞に1個しか存在しない好酸性均質無構造物質であり,Straussら,およびLyellらの記載した1細胞に多数存在する顆粒状封人体とは明らかに異なるものであった.免疫組織学的に全例にパピローマウイルス(PV)抗原を検出でき,HPV感染症であることは確認できたが,in situ hybridization 法でHPV-1は検出されず,Lyellらの報告以来ミルメシアの診断名で報告の多い,HPV-1の感染による対人体疣贅とはHPVの型の点でも異なることがわかった.また本封人体は,最近報告の多いパピローマウイルス(PV)抗原陽性の足底表皮様嚢腫に認められる封入体様物質と同一物質の可能性があり,今後,これらの嚢腫の発生機構を考える上でも,本封人体疣贅の存在を認識することは重要と考えられた.
  • 大川 幸三, 北川 伸子, 玉木 宏幸, 荒田 次郎
    1988 年 98 巻 11 号 p. 1113-
    発行日: 1988年
    公開日: 2014/08/08
    ジャーナル 認証あり
    我々は下肢の再発性紫斑と多クローン性高γ-グロブリン血症を初発症状とし,検索の結果,Sjogren's syndromeと診断した2例の女性を経験した.紫斑部の組織で血管周囲性のリンパ球,好中球の浸潤と核塵が,螢光抗体法で血管壁に免疫グロブリンと補体の沈着がみられた.口唇部組織では腺体への著明なリンパ球浸潤が,耳下腺造影では造影剤の斑状陰影がみとめられた.高グロブリン血症性紫斑病を伴うSiogren's syndromeと診断しステロイド治療を開始した.高γ-グロブリン血症と紫斑は軽快し,口腔内乾燥感の明らかな改善はみられなかった.高グロブリン血症性紫斑病の症例ではSjogren's syndromeの検索を積極的にすすめることが肝要と思われた.
  • 加藤 晴久, 古川 雅祥, 茶之木 美也子, 濱田 稔夫, 山根 英雄
    1988 年 98 巻 11 号 p. 1121-
    発行日: 1988年
    公開日: 2014/08/08
    ジャーナル 認証あり
    19歳,女子.生後間もない頃より左側頭部から顔面にかけて褐色色素斑を伴う腫瘤が出現し,徐々に増大し圧痛を伴うようになってきた.臨床的にvon Recklinghausen病の神経線維腫よりの悪性化を疑い,外頚動脈結紮後,腫瘍を切除した.病理組織像では,典型的な神経線維腫を示す部分に加えて,大型のクロマチンに富んだ異形性の強い核を有する腫瘍細胞が主体をなす部分をかなり認め,S-100蛋白陽性細胞を多数認めたため神経線線維肉腫と診断した.電顕的にfibroblast,Schwann細胞由来の腫瘍細胞に加えて,組織球由来と考えられる腫瘍細胞を認めた.さらにヘモジデリンおよびメラニンによる色素沈着部位を認めた.腫瘍に色素沈着をきたしたのは,腫瘍を構成するneural crest由来のSchwann細胞あるいはdermal melanocyteによるmelanogenesis,および腫瘍内出血によるヘモジデリンのためによるものと考えられた.
  • 1988 年 98 巻 11 号 p. 1131-
    発行日: 1988年
    公開日: 2014/08/08
    ジャーナル 認証あり
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