抄録
尋常性乾癬患者39症例を対象としてアンスラリン療法を施行し,その臨床的効果及び副作用について検討した.患者の病型分類は大斑状型32例,小斑状型7例であり,0.05%~2%アンスラリン軟膏の10~30分間短時間塗布(short contact)および4~24時間長時間塗布(long contact)の外用療法を施行した.その結果,有効26例,無効7例,判定不能6例(有効率67%)であり,有効例の6ヵ月寛解率は45%であった.大斑状型は小斑状型に比し有効率が高く,寛解期間が延長する傾向を認めた.短時間塗布法と長時間塗布法の治療効果に大差は認められなかった.無効例は有効例に比し有病期間が長い傾向を認めた.副作用として,29例(74%)に皮膚刺激症状を,20例(51%)に色素沈着を認めた.アンスラリン療法はステロイド外用療法に抵抗性を示す乾癬の治療に,タール療法,PUVA療法,UVB療法に劣らず有効であり,またアンスラリン濃度を低い濃度から漸増する方法をとることにより重度の皮膚刺激症状の出現を予防することがおおむね可能であり,今後さらに試みられるべき治療法と考えられた.