日本皮膚科学会雑誌
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99 巻 , 2 号
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  • 島田 耕司
    1989 年 99 巻 2 号 p. 101-
    発行日: 1989年
    公開日: 2014/08/11
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    皮膚の肉芽腫性および組織球増殖性疾患について電顕および抗ヒトlysozyme(LZ)抗体を用いた免疫組織学的所見で,それらの特徴を比較検討した.電顕的にelectron-lucent body(ELB)が豊富にみられる細胞を認めたサルコイドーシス,尋常性狼瘡,顔面播種状粟粒性狼瘡,刺青肉芽腫では,LZ陽性細胞が多かった.LZ陽性細胞が少ない光沢苔癬と結節性黄色腫では,電顕的にELBは観察されなかった.異物肉芽腫,環状肉芽腫,眼瞼黄色腫,扁平黄色腫,若年性黄色肉芽腫,腱鞘巨細胞腫,皮膚線維腫,悪性線維性組織球腫,隆起性皮膚線維肉腫,熱傷肉芽,肥厚性瘢痕,histiocytosis Xでは,LZ陽性細胞はなく,ELBも観察されなかった.以上から,LZがELBに局在する可能性を示唆した.
  • 高橋 昌江, 手塚 正
    1989 年 99 巻 2 号 p. 111-
    発行日: 1989年
    公開日: 2014/08/11
    ジャーナル 認証あり
    1.生後3日の新生仔ラット表皮の50mM Tris-HCl抽出画分中のpI4.8~5.1にみられたヘマトキシリン染色陽性タンパクを抗原としてモノクローナル抗体を作成した.2.作成されたモノクローナル抗体(Ted-R-3)は蛍光抗体間接法で角層細胞膜周辺とケラトヒアリン顆粒に局在を示し,イムノブロッティングで分子量55kdのタンパクのみと反応した.またこの抗体のクラスはIgMであった.3.アフィニティー精製した抗原タンパクのアミノ酸組成はグリシン(20%),セリン(18%),グルタミン酸(13%)に富み,オルニチン(6%)も含まれていたが,ヒスチジン(3%),シスチン(0.1%)は少なかった.4.Ted-R-3とすでに報告されているinvolucrin,ヒスチジン・リッチタンパクとの交叉反応を調べるため,市販の抗involucrin抗体であらかじめ抗原決定基を被覆した組織を用いたTed-R-3による蛍光抗体法および部分精製したヒスチジン・リッチタンパクであらかじめ吸収したTed-R-3を用いた蛍光抗体法を行ったが,結果は未処理の場合と相違なくTed-R-3がinvolucrinやヒスチジン・リッチタンパクと異なったタンパクに対する抗体であることがアミノ酸分析値だけでなく組織上でも確認された.
  • 斎田 俊明, 吉田 永子
    1989 年 99 巻 2 号 p. 117-
    発行日: 1989年
    公開日: 2014/08/11
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    足底の色素斑については,良性の色素細胞母斑群と悪性黒色腫早期病変とを鑑別することがきわめて重要である.そのためには,どのような臨床的特徴を呈する足底の色素斑が悪性黒色腫早期病変である可能性が高いのかを具体的に明らかにしておく必要がある.そこで,われわれは本邦人足底の色素斑92病巣(87症例)を臨床的,病理組織学的に詳しく検討した.この92病巣中88病巣(84症例)がメラノサイト性病変であり,その疾患別内訳は,先天性色素細胞母斑9病巣,通常の後天性色素細胞母斑群65病巣,dysplastic nevus 5病巣,足底悪性黒色腫早期病変疑診例5病巣,足底悪性黒色腫早期病変4病巣であった.皮疹の大きさに関しては,通常の後天性色素細胞母斑群の病巣で皮疹の最大径が7mmを越えるものは1例も見出されなかった.先天性色素細胞母斑を除くと,最大径が7mmを越える皮疹は8病巣みられ,その内訳はdysplastic nevusと悪性黒色腫早期病変疑診例が各2病巣,足底悪性黒色腫早期病変が4病巣であった.患者の(受診時)年齢については,通常の後天性色素細胞母斑群とdysplastic nevusの患者は大多数(94.9%)が50歳未満であったのに対し,足底悪性黒色腫早期病変の患者は,文献例も含めると13症例中11例が50歳以上であった.今回の検索結果に基づき,われわれは足底悪性黒色腫早期病変を検出するための具体的な臨床指針を下記の如くに提示した.すなわち,足底の色素斑については,その最大径を計測するとともに,それが先天性色素細胞母斑やblack heelなどである可能性がないか検討する.これらの可能性が否定される病変で,1)最大径が7mmを越えるものは足底悪性黒色腫早期病変である可能性が考えられるので,辺縁から5mm程度離して全摘し,病理組織学的に検討すべきである.2)最大径が6mmから7mmまでのものについては,皮疹の形状,色調,境界などに顕著な不規則性が認められる場合や,50歳以上の患者にみられた場合には,これを切除して病理組織学的に検討すべきであろう.3)上記2項目のいずれにも該当しない足底の色素斑については,よほど不規則で疑わしい臨床所見を呈するものでない限り,切除せずにそのまま経過をみてよいものと思われる.ただし,もし皮診が拡大して最大径が7mmを越えるようになった場合は,早期に再診するように患者を指導すべきである.ここに提示した如き具体的な臨床指針により,足底悪性黒色腫が早期に検出されて治療されるならば,本邦における悪性黒色腫の予後は大幅に改善されうるものと期待される.
  • 東 一紀, 片山 一朗, 西岡 清, 西山 茂夫
    1989 年 99 巻 2 号 p. 129-
    発行日: 1989年
    公開日: 2014/08/11
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    尋常性乾癬患者39症例を対象としてアンスラリン療法を施行し,その臨床的効果及び副作用について検討した.患者の病型分類は大斑状型32例,小斑状型7例であり,0.05%~2%アンスラリン軟膏の10~30分間短時間塗布(short contact)および4~24時間長時間塗布(long contact)の外用療法を施行した.その結果,有効26例,無効7例,判定不能6例(有効率67%)であり,有効例の6ヵ月寛解率は45%であった.大斑状型は小斑状型に比し有効率が高く,寛解期間が延長する傾向を認めた.短時間塗布法と長時間塗布法の治療効果に大差は認められなかった.無効例は有効例に比し有病期間が長い傾向を認めた.副作用として,29例(74%)に皮膚刺激症状を,20例(51%)に色素沈着を認めた.アンスラリン療法はステロイド外用療法に抵抗性を示す乾癬の治療に,タール療法,PUVA療法,UVB療法に劣らず有効であり,またアンスラリン濃度を低い濃度から漸増する方法をとることにより重度の皮膚刺激症状の出現を予防することがおおむね可能であり,今後さらに試みられるべき治療法と考えられた.
  • 神野 公孝, 吉池 高志, 小川 秀興
    1989 年 99 巻 2 号 p. 135-
    発行日: 1989年
    公開日: 2014/08/11
    ジャーナル 認証あり
    新しく開発された局所発汗量連続記録装置を用い,発汗量測定の標準化を試みた.まず安静時における発汗量を測定し,これを基準値とし,次いでいくつかの発汗誘発因子を加え,それらによる増幅度を比較検討した.選択した誘発因子は,1)装置を接着させた手指と反対側の手の握り動作,2)同じく,反対側の手に対する温・冷刺激,3)暗算,4)深呼吸などである.健常な男女20名における安静時および誘発性の発汗を右拇指腹を用いて測定したところそれぞれ,1)対側手握りにより0.16±0.05ml/min,2)対側手温・冷刺激;0.07±0.02,0.02±0.01ml/min,3)暗算;0.18±0.04ml/min,4)深呼吸0.13±0.04ml/minであった.このなかで最大発汗増強効果を示したのが,暗算;0.18±0.04ml/minであり,誤差の最も少なかったものは冷刺激であった(0.01ml/min).しかし標準誤差/平均値は暗算刺激発汗で最も小さく(0.213),これが最も安定かつ信頼性に富む刺激因子と一応判断した.他にも全く性格の異なる因子として,センサーを装着してからの基線が安定するまでの時間を測定したが75.4±5.7secであった.これは被検者の精神的安定に至る時間を示すものと考えられた.
  • 矢口 均, 三浦 淳子, 内藤 勝一, 真鍋 求, 小川 秀興, 雨海 照祥, 真田 裕, 平井 慶徳
    1989 年 99 巻 2 号 p. 141-
    発行日: 1989年
    公開日: 2014/08/11
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    劣性栄養障害型表皮水疱症に伴う食道狭窄(癒着)症の治療に関して様々な方法が報告されているが,いづれの治療方法も理想的とは言い難く,今後の発展が待たれている.我々は過去4年間に本症12例を治療し,その内,特に高度の食道狭窄(癒着)を伴った5例に対し,全身管理下にバルーンカテーテル法を用いた食道拡張術を施行したところ,良好な結果を得たので,その詳細を紹介する.まず術前に,体重・血漿アルブミン値・rapid turnover proteins・血中微量元素等を栄養評価指数とし,ハイネックRの経口投与,イントラリポスの点滴静注等を用いて全身栄養状態の改善を計った.次いで食道拡張術を施行したが,その術式は鼻咽頭粘膜をまずキシロカインスプレーにて充分に麻酔した後,Microvasive Rigiflex Balloon Dilatorをレントゲン透視下に食道狭窄(癒着)部まで挿入し,バルーンに造影剤を注入し,当該部位を観察しつつ狭窄部位を拡張した.これにより嚥下困難等の臨床症状は速やかに改善し,術後かなり長期の寛解状態が得られている.以上の方法は従来のプジー拡張術に比し,安全かつ反復施行が容易であり,また患者に与える侵襲も少なく,短時間の治療で有効な結果が得られるなどの利点を有している.今後,本症の外科的治療において手指形成術と並び,極めて重要な位置を占めるものと思われる.また,教室例12例中10例に自覚症を認め,就中食道造影を施行し得た8例全例において理学的に狭窄(癒着)が証明された.好発部位は食道の第1生理的狭窄部位で全例にこれを認めたが1例では第2生理的狭窄部位にもこれが認められ,当該部への充分な注意が必要と思われた.
  • 野崎 重之, 矢島 ゆかり, 飯島 正文, 藤澤 龍一
    1989 年 99 巻 2 号 p. 149-
    発行日: 1989年
    公開日: 2014/08/11
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    45歳,男性の十二指腸潰瘍吐血に対する輸血後に生じたgraft-versus-host disease(GVHD)様症候群の1例を報告した.昭和62年6月20日吐血し,十二指腸潰瘍の診断で濃厚赤血球8単位の輸血を受けた.輸血後12日目に,発熱と共に胸部,両上肢に紅斑が出現した.紅斑は急速に全身に拡大し,肝機能障害,汎血球減少症を合併し敗血症にて輸血後21日目に死亡した.紅斑部の組織像では,表皮細胞のsatellite cell necrosis,真皮上層及び表皮内への単核球の浸潤,基底細胞の液状変性を認めた.病理解剖で骨髄は無形成像を呈した.自験例は明らかな免疫不全を呈する基礎疾患なしに,通常の輸血により生じたGVHD様症候群できわめて稀であり,近年強調されている輸血製剤への輸注前照射の重要性を再確認させる症例であった.
  • 松本 義也, 川部 美智子, 安江 隆, 湯口 真弓, 吉田 一郎
    1989 年 99 巻 2 号 p. 155-
    発行日: 1989年
    公開日: 2014/08/11
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    症例1は49歳の男性で,自動車のタイヤ修理再生業に従事し,グラインダーとインパクトレンチを30年間使用後に,レイノー現象,手指のしびれ感,両上肢挙上困難が出現し,振動障害と診断された.その2年後に耳鳴と騒音性難聴,躯幹・両上肢・両大腿部に多発性斑状皮膚硬化が生じたが,皮膚硬化は約2年後に消失した.組織検査では,真皮膠原線維の増生と結節状膨化がみられた.内臓病変は認められなかった.振動障害の経過中に発症した,抗セントロメア抗体陽性の多発性斑状強皮症と診断した.症例2は53歳の男性で,25年間採石場にてジャックハンマーを使用後に,レイノー現象,手指のしびれ感,関節痛と感音性難聴が生じ振動障害と診断された.その後,強指症,両手背と足背・両前腕・両下腿・顔面のびまん性浮腫性硬化,および腹部の斑状皮膚硬化が生じた.組織学的には真皮全層にわたる膠原線維のびまん性の増生と均質化が認められた.食道下部の拡張像,抗RNP抗体陽性が認められ,振動障害に合併した全身性強皮症と診断した.自験例における振動障害が,これらの強皮症の発症と何らかの関連性があることが疑われた.
  • 山岸 玲子, 市原 隆, 永野 剛造, 上出 良一
    1989 年 99 巻 2 号 p. 163-
    発行日: 1989年
    公開日: 2014/08/11
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    Electron Spin Resonance(ESR)スピントラッピング法によるsuperoxide(O2)定量法を応用して,一定量のO2の消費量により,直接superoxide dismutase(SOD)活性を測定する方法を用い,ヒト健常皮膚のSOD活性を測定した.健常非露出部皮膚20例のSOD活性は,4.45~10.59U/mg proteinに分布し,平均7.08±0.41U/mg protein(mean±S.E.)であった.この方法は従来の方法に比べ短時間で測定でき,試料もEIA法よりは多いが比較的少量ですむなどの特長を有し,有用な方法と考えられた.
  • 1989 年 99 巻 2 号 p. 167-
    発行日: 1989年
    公開日: 2014/08/11
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