デサントスポーツ科学
Online ISSN : 2758-4429
Print ISSN : 0285-5739
研究論文
高齢者の筋量と身体活動の強度・量・質の関係を明らかにする-sarcopenia予防のための運動基準作成に向けての基礎的研究-
山田 陽介飛奈 卓郎木村 みさか小田 伸午中村 榮太郎
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2011 年 32 巻 p. 72-80

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抄録

老化に伴う筋委縮(sarcopenia)は身体機能低下や歩行機能障害の主因子である.老化に伴って細胞外液(ECW)の相対的な増加が観察されるため,sarcopeniaは体細胞量や細胞内液量(ICW)で評価する必要がある.本研究は,1) 多周波部位別生体電気インピーダンス法(S-MFBIA)によるICW推定の精度を検証する,2) ICWと筋力の関係を調べる,3) ICWの日本人の加齢変化の特徴を明らかにしてsarcopeniaの基準値を作成する,4) 日常生活下の身体活動とsarcopeniaとの関連を明らかにすることを目的として研究を行った.化学的希釈法によるICWの測定に対しS-MFBIAは非常に高い妥当性を有し,筋力との相関も非常に高い値を示した.592名の日本人男女を調べたところICWは加齢に伴って大きく低下していることが明らかになり,このデータセットからsarcopeniaの基準を求めた.3軸加速度計内蔵型活動量計によって日常の身体活動量と歩数を計測したところ,身体活動量や歩数は強くsarcopeniaと関連していた.S-MFBIAが加齢に伴う筋量低下を評価するのに有効であること,ならびにsarcopenia予防には日常の身体活動(特に3METs以上の活動)が重要である可能性が示唆された.

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