2013 年 34 巻 p. 23-30
本研究は,大腿四頭筋の水平面上における至適方位を定量するために,張力変動と筋電図活動の相互関係に着目した.被検者は,7方向(0度から180度)に設定された目標張力にできるだけ発揮張力を一致させる力調節課題をそれぞれ約30秒間行った.大腿直筋(RF; rectus femoris),中間広筋(VI; vastus intermedius),外側広筋(VL; vastus lateralis),内側広筋斜頭(VMO; vastus medialis obliquus),内側広筋長頭(VML; vastus medialis longus)より表面筋電図(EMG; electromyogram)を導出した.発揮張力系列と筋電図系列の相互相関解析に基づくEWA(EMG weighted averaging)法により筋の至適方位を算出した.RF,VI,VL,VMLの水平面の至適方位は,それぞれ93.6度,54.7度,94.8度,68.4度となった.VMOは0度から180度にまんべんなく至適方位が分布していた.これら結果より,大腿四頭筋を構成する筋は膝を伸展するという同じ役割であるにも関わらず,個々の至適方位は異なった.そして,その至適方位は,解剖学的,生理学的,バイオメカニクス的,神経生理学的根拠に基づいて決定していることが示唆された.