2014 年 35 巻 p. 61-69
心臓の病態末期には線維化が認められ,収縮不全や不整脈発症の原因因子と考えられている.しかしながら,その発症には未だに不明な点が多い.我々はラット圧負荷モデルを用いて,線維化特異的に増加する因子を網羅的解析にて検索した.圧負荷モデルにおいて線維化特異的に増加した因子はFGF23とNcam1であった.この線維化特異的増加因子が,運動を行った動物モデルにおいても心筋線維化バイオマーカーとして有用かどうか確認するため,OLET-Fラットの自発運動群を用いた検討を行った.OLET-Fラットの壮年期運動群は運動解除によって急速に体重が増加した.一方で,FGF23とNcam1は壮年期運動群で若年期運動群や非運動群と比較して有意に増加していた.これらのことから,FGF23とNcam1は新規心臓線維化バイオマーカーとして有用であるとともに,壮年期開始運動の途中離脱による急激な体重増加は心臓線維化のリスクが上昇する可能性が示唆された.