デサントスポーツ科学
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Print ISSN : 0285-5739
研究論文
運動による脂肪組織の恒常性維持に対するオートファジーの役割
奥津 光晴
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2016 年 37 巻 p. 161-170

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抄録

定期的な運動は肥満を軽減し生活習慣病を予防する.オートファジーは,不要なタンパクや悪化した細胞内器官を素早く分解することで生体の恒常性を維持している.本研究では,運動による肥満の軽減とオートファジーの変動との関連を検討した.実験にはC57BL/6Jマウスを使用した.マウスは,安静+通常食摂取群,運動+通常食摂取群,安静+高脂肪食摂取群,運動+高脂肪食摂取群の4群に分け,運動群は8週間の運動トレーニングを行い,高脂肪食摂取群は45%の脂肪を含有する餌を摂取した.飼育期間終了後,精巣周囲脂肪を採取しオートファジータンパクの変動を評価した.その結果,高脂肪食摂取による体重の増加や脂肪細胞の肥大は運動により改善された.オートファジータンパクであるLC3-IIの発現は高脂肪食摂取により増加するが,運動は高脂肪食摂取によるLC3-IIの増加を抑制した.これらの結果は,定期的な運動によるオートファジーの抑制が脂肪組織の恒常性維持に関与する可能性を示唆している.

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© 公益財団法人 石本記念デサントスポーツ科学振興財団
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