スポーツの現場において動作解析は重要である.今回カヌー競技カヤック種目に必要な上肢挙上動作やパドリング時の上肢・体幹の運動を,電磁ゴニオメータを用いて測定し,健常カヌー選手とパラカヌー選手を比較した.上肢挙上動作では健常カヌー選手が,パドリング動作ではパラカヌー選手が肩甲骨を大きく動かす傾向があった.回旋動作を必要とするカヌー競技において,座位保持困難な体幹機能障害を有するパラカヌー選手は,体幹の回旋は困難で,回旋動作を肩甲骨や上腕骨によって代償していると考えられる.実際に体幹に関しては健常カヌー選手の方が大きく動いている事がわかった.したがって健常カヌー選手の様に体幹からの連動によって力を伝えにくいパラカヌー選手においては肩甲骨の柔軟性とコントロールが必要であり,効果的なトレーニング立案のためには健常カヌー選手とは異なった指導が必要である事が示唆された.