デサントスポーツ科学
Online ISSN : 2758-4429
Print ISSN : 0285-5739
研究論文
高齢者の運動イメージ能力を「見える化」し,転倒リスクを予測する新しい評価方法の開発
中野 英樹村田 伸兒玉 隆之安彦 鉄平
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2018 年 39 巻 p. 43-50

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抄録

本研究は,地域在住高齢者の転倒群と非転倒群における幅が異なる3種類の歩行路を用いた実際歩行とイメージ歩行の時間的誤差ならびに運動認知機能の特性について検証した.評価項目は,転倒歴,時間的誤差(幅50, 25, 15cm),握力,大腿四頭筋筋力,足趾把持力,CS-30,5m最速歩行時間,TUG,片脚立位時間,MMSEとした.転倒歴に基づき,対象者を転倒群と非転倒群に分類し,各測定項目を比較した.その結果,転倒群のイメージ歩行(幅25, 15cm)と時間的誤差(幅15cm)は,非転倒群と比較して有意に高い値を示した.一方,実際歩行(幅50, 25, 15cm),イメージ歩行(幅50cm),時間的誤差(幅50, 25cm),握力,大腿四頭筋筋力,足趾把持力,CS-30,5m最速歩行時間,TUG,片脚立位持間,MMSEは,転倒群と非転倒群の間に有意差を認めなかった.本研究により,難易度を変化させる歩行路を用いた実際歩行とイメージ歩行の時間的誤差は,転倒リスクを評価するツールとして有用であることが示唆された.

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© 公益財団法人 石本記念デサントスポーツ科学振興財団
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