本研究は前向き研究として,初めて陸上競技用義足(Carbon fiber running-specific prosthesis, 以下RSP)を装着する下腿切断者1名に対し,トレーニング内容,身体機能の変化および走行タイムの記録を行い,足部の選択時期,および安全性に着目したトレーニング法について検討した.結果,走行用のC型およびJ型足部を用いたRSPと日常生活用義足(Daily use prosthesis, 以下DUP)では50mの走行タイムに違いはなく,トレーニング実施前から32週後の走行タイムはC型RSPでは7.99秒から6.81秒に,DUPでは8.27秒から6.65秒に向上した.走行タイム向上の要因は筋力およびバランス能力,柔軟性の向上であると考えられ,それらはスポーツ障害の予防にもつながる.RSP走行は健側下肢に対するスポーツ障害のリスクが高い可能性も指摘されており,特に成長期にある中高生へのRSP使用については検討する必要がある.