最近のサッカーワールドカップの公式球は,ボール表面を構成するパネルの数やその形などの意匠が大きく変化しており,五角形と六角形の32枚のパネルで構成された従来のサッカーボールとその模様が大きく変わった.また,異なるパネルの数やその向きによってボールに加える空気力が変わり飛翔軌道に大きな影響を与えると報告されている.しかし,サッカーボールの表面形状は,様々な形のボールパネルや縫い目が複雑に組み合わされており,それらのボール表面形状が,サッカーボールの空力に与える影響は,ほとんど不明である.そこで本研究では,異なる表面のデザイン(突起の意匠)で構成された5種類のサッカーボールを製作し,その空力特性を風洞実験で検討を行った.その結果,サッカーボールの表面にある突起の模様によってボールに働く空力特性が大きく変わる事が分かった.本研究により,最新サッカーボールの空力特性の究明だけでなく,今後開発されるサッカーボールの飛翔軌道がある程度予測可能になったと考えられる.