下肢むくみ対策用アパレル製品の膝囲への圧力設計のための基礎とすることを目的とし,健康な成人女性を対象に立位時および軽運動時の膝囲への圧迫強度が下肢のむくみ量およびむくみ感へ及ぼす影響について明らかにするため,2種の実験を実施した.実験Aでは,20分間の立位時において膝囲圧迫10, 20, 30, 40mmHg及びカフなしの5条件を比較し,実験Bでは,20, 40mmHgの膝囲圧迫及びカフなしの3条件で20分間の軽運動を行い,圧迫開放後の立位20分間を比較した.その結果,立位時の足部容積はカフなし,40mmHgと比較して10, 20, 30mmHgで,軽運動時の下腿・足部容積はカフなしと比較して20mmHgで減少傾向が示され,40mmHgと比較して20mmHgで有意に減少した(p<0.05).立位時のむくみ感は,足部容積と同様に,カフなし及び40mmHgで増加傾向が示された.立位時および軽運動時の膝囲への圧迫は,40mmHg未満の強度とし,膝囲への適度な圧迫は,下腿・足部容積の増加を抑制させることが示唆された.