2019 年 40 巻 p. 116-122
本研究では,骨格筋細胞のタンパク量変化に対する消化管ホルモンであるGIPおよびGLP-1受容体アゴニストexedin-4(Ex4)の影響を追究し,骨格筋量の維持・増量に対する経口の食事の意義を明らかにすることを目的とした.実験には,マウス筋芽細胞由来C2C12細胞を用いて,培地にGIPあるいはEx4を添加して一定期間培養した後に細胞を回収し,筋タンパク量からGIPあるいはEx4の影響を評価した.GIPは筋タンパク量を有意に増加させたが,Ex4は筋タンパク量に有意な変化は与えなかった.GIPによる筋タンパク量の増量効果は,siRNAを用いてGIP受容体をノックダウンしても認められた.しかし,このGIP依存性の筋タンパク増量作用は,GIP受容体ノックダウンにより一部抑制された.また,GIP受容体ノックダウンは,C2C12筋芽細胞の増殖を促進することが確認された.したがって,経口の食事により分泌される消化管ホルモンGIPが骨格筋量の維持に寄与することが示唆された.