2019 年 40 巻 p. 27-38
本研究は,銀メッキ導電糸とポリエステル糸を用いて作製した編物の繊維製面状発熱体を利用し,厳冬期であっても快適な衣服内環境でスキーやスノーボードを楽しめるレジャー用スキー,スノーボードウエアの開発を目的とした.最初に繊維製面状発熱体が破断に至るまでの引張変形ならびに大きな応力を繊維製面状発熱体に集中的に加えた際の電気抵抗値変動に関する実験的検討を行った.また,氷点下および低温環境下における繊維製面状発熱体の発熱性能に関する検証実験を実施した.その後,繊維製面状発熱体を装備したプロトタイプのスキーウエアの基本設計を行い,これを作成した.プロトタイプのスキーウエアを用いて氷点下環境における実験を実施したところ,スキーウエアの上衣,下衣ともに適切な衣服内温度が検出されており,その発熱性から繊維製面状発熱体の装着方法ならびに装着部位もほぼ妥当であることが確認された.当初の計画通り,今冬季には幅広い年齢層からスキー経験も様々な協力者を得て,実際のスキーゲレンデにおける実用性能試験を実施し,完成度の高い繊維製面状発熱体装着快適レジャースキー,スノーボードウエアを開発し,製品化を行う.