本研究では,異なる沈み込み条件の自重負荷スクワットを設定し,それらのトレーニング効果を検討した.異なる条件のスクワットとして関節角度変化の大きいスクワット (LAC-squat) と小さいスクワット (SAC-squat) を設定した.LAC- squatは40cmのイスに,SAC- squatはその椅子の上に置いた20cmのクッションに臀部をつけるよう指示され,それぞれ68回実施した.高齢者21名を対象に,各スクワットを用いて12週間トレーニングを実施した.その結果,両群にてイス座り立ちテストとレッグプレスの1RMが有意に増加し,LAC-squat群において外側広筋の筋厚が有意に増加した.この結果は高齢者でのスクワットトレーニングの有用性を示した一方,スクワットの関節角度変化の違いはトレーニング効果の一部に影響を与える可能性が示唆された.