デサントスポーツ科学
Online ISSN : 2758-4429
Print ISSN : 0285-5739
研究論文
抵抗性運動時の血圧上昇に及ぼすクロストレーニングの効果
大槻 毅吉川 徹膳法 亜沙子
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2020 年 41 巻 p. 85-92

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抄録

運動時血圧は心血管疾患の独立した危険因子である.本研究では,有酸素性運動と低強度抵抗性運動のクロストレーニングが抵抗性運動時の血圧に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした.43人の健康な中高齢者が対照群(生活習慣を変えない)と介入群(週3回のウォーキング[60〜75%最大心拍数,30分間]および筋力づくり運動[4種目,8〜10回×2〜3セット,主に自体重による])に分かれて実験に参加し,介入期間(6週間)の前後で安静時およびアームカール運動時(最大挙上重量の20%および40%)に血圧を測定した.その結果,介入前に比べて介入後に,介入群における運動時の収縮期血圧(systolic blood pressure, SBP)は低値を示した.また,運動時SBPの低下量は対照群に比べて介入群で大きかった.安静時のSBPに,介入期間中の変動は認められなかった.これらの結果から,有酸素性運動と低強度抵抗性運動のクロストレーニングは抵抗性運動時の血圧を低下させると考えられた.

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© 2020 公益財団法人 石本記念デサントスポーツ科学振興財団
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