本研究は,歩行および低速度ジョギング(ジョグ)による座位行動中断が,健常若年成人の食後血糖・脂質動態に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした.22±2歳の男女14名を対象に次の3試験の食後180分間の血中指標を観察した:オフィスチェア座位継続(対照試験),30分毎に3分間の6km/時の歩行およびジョグ.血中指標は肘静脈採血および持続血糖測定装置を用いて測定し,曲線下面積値(iAUC)にて評価した.グルコース値およびインスリン値のiAUCに有意な試験間差が認められ,歩行とジョグは対照試験に比して低値を示した.一方,トリグリセリド値iAUCは試験間差を認めなかった.ジョグにおける対照試験を基準としたインスリン値低減率は,最大酸素摂取量との間に有意な相関関係を認めた.歩行またはジョグによる座位行動の中断は,健常若年成人の食後血糖動態に好影響を及ぼすことが示唆された.ジョグによるインスリン抑制効果は全身持久力が低い者で大きい可能性がある.