関節外科において関節動作を3次元的に可視化することは,病態の把握,治療方針決定などに重要な情報を供給できる極めて意義のある試みである.とりわけ肩関節においては,骨などの硬組織を含め腱・靭帯などの軟部組織による関節の支持機構が重要であり,個々の構造が複雑にかつ相互的に作用することで有効な関節機能を果たすため,生体内における生理的な環境下における動作解析が重要である.本研究では,生体内における病態把握が困難であった肩関節疾患について,生理的な環境下における動作肩関節接触面を4D-CTを用いて解析し,そのシステムを構築することを目的とした.これらの解析手法は広く全身における関節運動の解析に応用することが可能であることから,上肢疾患に限らず下肢および脊椎疾患における解析まで,高い実用性が期待される.今後は国際学会での報告や,英文雑誌への投稿が見込まれる.