2024 年 45 巻 p. 66-72
靴の中での距舟関節の運動はスポーツ障害の発生機序の解明に重要であるが,通常の靴の強度を保った状態での解析手法がない.そこで靴を装着下で計測可能な伸縮性ひずみセンサー (STR) を用いて,距舟関節の運動解析を試みた.健常成人男性14名14足を対象に,X線による距舟関節被覆角 (TNCA) を坐位と立位で計測し,同様の姿勢でSTRを用いてアーチに加わるひずみをアーチストレイン (AS) として計測した.なお,ASの計測は4つの貼付法とTNCAの変化との相関を分析した.最も相関の高い方法で裸足条件と靴条件でのランニング動作のAS波形の変化を検証した.内果と舟状骨を結ぶ線かつ床面に対して50度下方に傾斜をつけて貼付した条件がTNCAの変化と相関が高かった (r=0.60,p=0.02).ランニング中のASは靴条件と靴なし条件間に有意差を認めなかった.すなわちSTRによるAS計測によりランニング中,靴を装着した状態でも距舟関節の運動を評価できる可能性がある.