骨格筋の不活動は筋量の低下,ミトコンドリアの機能変容を引き起こす.一方,我々は,マウスにおいて後肢不活動期間中に前肢を中心とした走行運動を実施することで,後肢筋の萎縮の抑制やミトコンドリア適応が誘導されることを確認した.本研究では,両後肢不活動下における前肢を中心とした走行運動の実施が,ギプス固定解除後の後肢ヒラメ筋に与える影響を検討した. 雄性ICRマウスを,安静群 (CON群),14日間の後肢ギプス固定後に3日間の固定解除期間を設けた不活動回復群 (R群),および固定期間中に前肢を中心とした走行運動を行った後に固定解除期間を設けた群 (ER群) の3群に分けた.介入終了後,ヒラメ筋を採取して解析した.その結果,ヒラメ筋の全体の横断面積およびミトコンドリア関連タンパク質量は,CON群と比較してR群,ER群にて有意に低値を示した.一方,タイプIIaおよびIIx/b線維の横断面積は,CON群と比較して,R群にて有意に低い値を示したが,CON群とER群の間に有意な差は認められなかった.このことから,ギプス固定期間中の運動介入は不活動肢に対して,固定解除後に筋線維タイプ特異的な適応をもたらす可能性が示唆された.