本研究では,ランニング前後の筋膜の滑走性・足関節背屈柔軟性・ジャンプ能力の変化量と,主観的疲労感 (VASスコア) の変化量との関連性を検証することを目的とした.筋膜の滑走性は超音波エコーを用いて下腿の筋膜と筋の動画を撮影し,相互相関係数を算出した.参加者は大学陸上長距離選手17名であり,各指標のランニング前後の差分 (⊿) を用いてLasso回帰分析を実施した.交差検証の結果,最適な正則化パラメータ (α) は0.163と決定され,⊿滑走性係数の標準化回帰係数が0.271と最も高く,VASの変化に対する寄与が大きいことが示された.これにより,滑走性の低下が主観的疲労感の増大に強く関与している可能性が示唆された.本研究は,疲労を客観的に捉える指標として滑走性の評価が重要な役割を担うことを示す初期的な知見を提供するものである.