芸術工学会誌
Online ISSN : 2433-281X
Print ISSN : 1342-3061
Proposal for a Conceptual Definition of User and Interface based on the Biological Theory of Autopoiesis
Christian CRUZ
著者情報
ジャーナル フリー

2013 年 63 巻 p. 139-143

詳細
抄録

本論文は、オートポイエーシスの生物学理論に基づき、一般概念のユーザー及びインターフェースのコンセプトから、デザイン原理の論理的な定義を確立する試みである。「一般」というのは個人など主観的な解釈ではなく、普遍的客観的な意味で捉えている。 本論文ではデザインの定義は下記のよう提案する。デザインとは、インターフェースを最適化することで、「構造的カップリング」を達成することによって、ユーザー環境の問題点を解決する活動である。  構造的カップリングとは環境と人間の間不具合が発生する場合、つまりユーザー環境に問題点がある場合は、環境及び人間がその不具合を相互的に補う、問題点を解決する関係を指している。  ユーザーとは、心理学的認識的発生条件の視点から、特定の時間に起きた環境の不具合を補うことにより、構造的にカップリングを完成させる対象のことを指している。  インターフェースとは、構造的カップリングが発生の場を指している。構造的カップリングの発生による成功した相互作用は「有効行為」と呼ばれる。  以上に述べたユーザーおよびインターフェースの両方は、発生した現象そのもののストラクチャーではなく、第三観察者のストラクチャーに関連する。つまりユーザー及び環境の情報交換という概念は元々存在しない、第三観察者の解釈により存在することになる。

著者関連情報
前の記事
feedback
Top